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すべての生活習慣病は、肥満から始まります

 肥満が糖尿病、動脈硬化の大きな原因のひとつであることはよく知られていますが、すべての生活習慣病はまず肥満から始まります。現在の日本人の死因の第1位はガン、2位が心臓病、3位が脳卒中となっています。このうち心臓病と脳卒中は血管の部位は異なりますが、どちらも動脈硬化がもとで血管が閉塞したものです。

 心筋梗塞、脳梗塞をひきおこす動脈硬化の原因として、コレステロール値が高いことがいわれてきました。近年では肥満によりインスリンというホルモンが効かなくなり、その結果糖尿病、高脂血症、高血圧となり、そして心筋梗塞、脳梗塞という悲劇に至るという考え方が有力です。肥満、糖尿病、高脂血症、高血圧の4つがそろうと、心筋梗塞の発生率が30倍にも及ぶことから、「死の四重奏」とも呼ばれています。そう、悪循環の第一歩は肥満からはじまるのです。

 そもそも肥満とはどの程度の状態をさすのか、ご存知でしょうか。私たちは肥満をBMI(Body Mass Index)で判定しています。
BMI=体重 kg÷(身長 m×身長 m)
BMIが22だと一番病気になりにくいといわれています。つまり、身長(m)×身長(m)×22で算出される体重が、最も健康的な適正体重(標準体重)ということになります。一方、BMIが25以上の場合が肥満になります。
 また、肥満の中でも、おなかのでっぷりしたタイプの内臓脂肪型肥満(ウエスト÷ヒップ=男性1.0以上/女性0.8以上、腹囲=男性85cm/女性90cm以上が目安)の方は特に注意が必要です。内臓脂肪型肥満は皮下脂肪型肥満に比べ、糖・脂質代謝異常や高血圧の頻度が高いことが明らかになっています。内臓脂肪型肥満をほおっておくと、インスリンが効きにくい体(インスリン抵抗性)になり、膵臓がインスリンをどんどんつくってしまいます。すると血中インスリン濃度が高くなります(耐糖能異常)。そのうち膵臓はバテてしまい、今度はインスリンがでなくなってしまいます(糖尿病)。そうするうちに動脈硬化が進み、心筋梗塞や脳梗塞へ……ということにもなりかねません。

 近年、日本人の肥満は増加しており、生活習慣病予備軍となっています。さらに問題なのは学童期の子どもの10人に1人がすでに肥満であるという事実です。このままでいくと、日本の将来は40代、50代での心筋梗塞が多発する事態になるかもしれません。肥満の原因は食べ過ぎと運動不足です。これにストレスと夜型生活が加わると、ますます助長されます。大人だけでなく、子どもたちの生活も、肥満を生みやすくなっています。たかが肥満と笑ってはいられません。毎日の食事をはじめとする生活スタイルを見つめ直す時期に来ているのです。



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